(おそらく)日本で初めてモノポリーを扱った本を読んでみる

日本でモノポリーが発売されたのは1965年ですが、モノポリーを専門に扱った書籍が出版されるのは1988年の『快楽モノポリー講座』まで待つことになります。
しかし、1981年に出版された『松田道弘 あそびの本2 ボード・ゲーム』(著・松田道弘筑摩書房)に、モノポリーに関する項目がありました。


ボード・ゲームの題名の通り、この本では世界のボードゲームを紹介しています。
モノポリーが紹介されているのはBUSINESS GAMEの章で、「モノポリ」の表記ではありますが、モノポリーの歴史やエポック社版のモノポリー(1972〜1984)を元にした遊び方を説明しています。


この中で、いくつか目を引く一文がありましたので引用します。
・ゲームは何でもそうですが、ある程度面白くなるには、そのゲームを何度かやって、そのゲーム独特の駆引きに熟達しなければなりません。
モノポリを面白くないという人たちは、このゲームになれた人たちと、イキのいいゲームをやったことがないからです。


・外国でこのゲームをやったことのある人は、「日本人は権利書の取引きをちっともやらないから面白くない」と外国人からよく言われたそうです。日本人同士のゲームだと権利書の交換または取引き(トレード)を積極的にやらず、相手にもうけられるのをひたすらこわがって、いったんにぎりしめた権利書をなかなか手ばなさないため権利書が分散してしまい、そのためにダラダラとした姑息で退屈なゲーム進行が続きます。


・モノポリは現実のビジネスと同じように、投資や取引き(トレード)のタイミングに先見性が必要です。技巧(スキル)を必要とするゲームです。モノポリに対する誤解は、モノポリが単にサイコロの目によってすべてが決定される、子供っぽい運だけのゲームだと思われていることです。