モノポリーにおける様々な誤解

●ゲームそのものについて
アメリカ版人生ゲームという誤解
モノポリーも人生ゲームもアメリカで考案されたものです。
なお、人生ゲームが発売されたのは1960年、モノポリーが発売されたのは1935年です。

・製作者に関する誤解
モノポリーはチャールズ・ダロウが単独で考案したものではなく、既存のゲームに独自の改良を加えて完成させたものです。
なお、発売に際してパーカーブラザーズはチャールズ・ダロウがモノポリーの唯一の考案者でないことを知り、独自の版権を主張するために他のゲームの版権を買収しています。このため、モノポリー著作権的には何ら問題ないものではありますが、これによりモノポリーがダロウ単独で考案したものであるというように話が独り歩きしてしまいました。日本でもこの独り歩きした話が書籍やゲームソフトなどでそのまま受け入れられていた時期がありました。

・名称は「モノポリ」ではなく「モノポリー
ブログなどでモノポリという表記をたまに見かけますが、モノポリーが正しい表記です。


●ルール
・電力会社と水道会社のマスに止まった場合、サイコロを振ってレンタル料を決める
電力会社と水道会社のレンタル料は、そのマスに止まることになったサイコロの出目で決めます。
サイコロを振ってレンタル料を決めるのはチャンスで「次の公共会社に進む」のカードを引いた場合のみです。


・交渉または家を建てるタイミングは自分の番のみ
海外製の携帯アプリやゲームなどではこのルールを採用しているものがあるようです。
システムの都合といえば仕方がないようですが、何とかしてもらいたいものです。


・ゾロ目を出して「刑務所に行け」のマスに止まった場合、刑務所から再びサイコロを振れる
刑務所に入った時点でゾロ目の効力はなくなりますので、再びサイコロは振れません。
ゾロ目でチャンスや共同基金のマスに止まり、「刑務所へ行け」のカードを引いた場合も同様です。


・刑務所に入っている状態で、刑務所から出ないことを宣言してサイコロを振ってゾロ目が出た場合はもう一度サイコロを振れる
ゾロ目の効力を刑務所からの釈放に使っているため、再びサイコロを振ることはできません。


・チャンスカードの指示で移動する場合、GOを通過するような移動であっても200ドルはもらえない
「リーディング鉄道へ進む」や「セントチャールズプレースへ進む」のカードには「GOを通過した場合200ドル受け取る」と書いてありますが、「イリノイ通りへ進む」「次の鉄道会社に進む」「次の公共事業会社に進む」には書いてありません。
ただ、この移動は「進む」のですからGOを通過した場合は200ドルがもらえます。


・交渉では何を決めても自由
交渉でレンタル料の割引や免除を決めることはできません。
レンタル料の支払いの際に権利書の売却などで相殺や不足分の支払いは可能です。


・駐車場にいる状態ではレンタル料の徴収ができない
日本では1972年から1984年までモノポリーの版権がエポック社にありましたが、その説明書にはいくつか致命的な誤訳があり、駐車場は「次の番まですべての活動を休んで、お金も資産も、いかなる報酬も受け取ることができない。」となっていました。
他には「相手の駒を追い越すことができない」という間違ったルールも書かれていました。
さらに付属のソノシートの説明では共同基金の「各プレーヤーから50ドル受け取る」の支払いの指示も無視できるとなっていました。
■ルールブックの画像など:エポック社のモノポリーで遊んでみた | 岡山モノポリークラブ


・カラーグループを独占したら全てのレンタル料が2倍になる
独占したら2倍になるのは権利書の「レンタル料」と書かれている部分の額だけです。
家やホテルのレンタル料は2倍になりません。


●その他
チュンソフト中村光一氏はモノポリーの世界選手権で3位
正しくは1991年のモノポリー名人戦で3位です。
1985年の世界選手権で3位になった日本人はいますが、中村氏ではありません。