2012年度モノポリー日本選手権を解説してみる(4) 

 

 


※今回の解説範囲はゲーム終了時までです。

 

(52:45)極めて厳しい状況ですが、可能性がある以上は諦めずに最善を尽くすのがゲームに参加するプレーヤーとしてあるべき姿だと思います。

今井さんが石原さんの釈放券と抵当のブラウン2枚を買い、乗り物1枚を抵当から出す資金を提供しました。

 

石原さんが乗り物のせんべい作戦で起死回生を狙いますが、山本さんには通過され、末村さんは手前の所得税でした。

 

(53:57)今井さんが山本さんのダークブルーの家2軒に止まり破産です。

山本さんはレッドを独占、ブラウンとイエローのセット(いずれも抵当)を手に入れました。

 

(55:14)石原さんが直前に1軒増築されたダークブルーに止まり破産です。

 

(55:50)ゲームは終局に向かって進んでいます。あとは詰める手順を残すのみです。

山本さんが取った手順は以下の通りです。

 

レッドの抵当を解除

ライトブルー、公共2枚を抵当に入れる

レッドに家2軒ずつ建設

乗り物1枚(25マス目)の抵当を解除

 

レッド・乗り物共に止まれば破産です。なお、末村さんの駒位置は12マス目の公共です。

 

(57:58)末村さんが12を出してレッドの家2軒に止まり破産です。

山本さんがモノポリー勝ちで2年連続の日本選手権優勝です。

 

 

 

 

 

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●ゲーム全体のまとめ

序盤のブラウン自力独占で石原さん有利の展開かと思われましたが、誰も止まらないという状況のまま中盤へ移りました。

物品税や所得税の支払いで場に現金が少なくなっていたというところも気になりました。

 

場が動いたのは山本さんがライトパープルを自力独占したところでした。

若干不安要素のあったライトパープルの経営の立ち上がりでしたが、乗り物の売却で地盤を固めることに成功します。

 

対ライトパープルの包囲網は出遅れた感があり、すでに独占しているブラウンを含め三人三色という可能性も考えられたのですが、ダークブルーが宙に浮いた形でまとまってしまいました。

一方、山本さんは巧みな交渉で相手を分断しつつ、有効な資産を増やしていくことができました。

このように中盤は山本さん優位の状況で局面が進んでいきました。

 

終盤に立て続けにライトパープルに止まってからは中盤に手に入れておいたダークブルーも追加経営し、山本さんの独走状態となります。

結局このダークブルーが決定打となって他のプレーヤーを次々と破産させました。

 

 

●各プレーヤーの寸評

・今井さん 

ゲーム後にイエローが早い段階で揃えられた可能性に言及されていましたが、場の状況から見てもやはりライトパープルが売り切れるまでは動かせなかったと思います。

450支払い後のイエロー全力5軒スタートは本当にぎりぎりの条件でした。

 

・石原さん

序盤に自力独占したブラウンに1度しか止まらないという不運もありましたが、早めにダークブルーを今井さんに渡して乗り物3枚+公共で辛抱というのも悪くなかったのではないでしょうか。

ライトブルーは山本さんにうまく揃えされられた感じがしました。

 

・山本さん 

自力独占直後にライトパープルを末村さんに売ろうとしたところを見ると、他の3人を敵に回す形で全力7軒のライトパープルの経営はやりたくなかったのかもしれません。

とはいえ、誰か一人に決定打を与える前に交渉で現金や価値のある資産を手に入れておいたのは見事でした。

この交渉によって独占していないプレーヤーがすでに家を持つプレーヤーを全力で支援する可能性をなくしています。

ライトブルー、オレンジを揃えさせる交渉は戦力の分断の見本といえるプレイでした。

 

・末村さん 

権利書の枚数を増やすことができなかったとはいえ、さすがに乗り物0枚の状態から強引に乗り物4枚を目指したのは無理があったと思います。

特にトップ目の山本さんから乗り物を買ったのは軽率だったのではないでしょうか。

イエローやダークブルーなど他に経営可能なカラーはあったわけですし、他の2人とともに包囲網を敷くことを考えてもよかったのではないでしょうか。