モノポリーのドキュメンタリー映画を見てみる(1)

映画『バトルシップ』の公開に関連してモノポリーの映画化について触れられることがありますが、モノポリーの映画については現在のところ進展が見られないようです。


しかし、モノポリーをテーマにした映画はすでに存在します。
2010年にアメリカで製作された『UNDER THE BOARDWALK The MONOPOLY Story』というドキュメンタリー映画で、2012年にDVD・ブルーレイで発売されました。
日本では未発売ですが、amazon.comを通じて購入が可能です。音声は全編英語ですが、本編では英語の字幕の有無が選択できるので辞書や翻訳サイトを併用することで理解はできると思います。


今回は映画本編の内容を解説します。
いくつか誤った解釈をしている箇所があると思われますが、その点はご理解ください。
できれば実際に視聴することをお勧めします。


1.ストーリーの始まり
ハズブロ社の役員、アメリカ国内のモノポリープレーヤー、モノポリーに関する書籍の作者などにモノポリーについてのインタビューを行っています。
誕生してから75年以上経ったゲームですが、アメリカではすでにファミリーゲームとして、あるいは競技として定着していると感じました。


また、各人のインタビューの間には過去のアメリカ国内の大会や世界選手権の映像が流れていました。
なお、カナダやアメリカでは国内チャンピオンになった時点で賞金が出ます。特にアメリカでは大会の結果がその日のニュースとして報じられるほどです。
インタビューの終盤ではオンライン上でモノポリーが遊べるpogo.comについても触れられていました。
2009年にはこのサイトでアメリカ選手権の出場者を決めるトーナメントや世界選手権出場者を決めるトーナメントが行われました。
関連記事   オンラインモノポリー


2.モノポリーの起源
エリザベス・マギーが考案した「Landlord Game」が、アメリカ各地で形を変えていく様が紹介されています。
途中、チャールズ・ダロウの孫であるチャールズ・ダロウ2世に対するインタビューもあります。
関連記事   『モノポリー』のルーツ


3.モノポリーに勝つために
以前この記事で紹介したものとほぼ同じ内容ですので特に感想はありません。
なお、フィルはグリーンを買うべき理由として「権利書は交渉材料になる」「グリーンを独占したい人に渡すかわりに自分も欲しい権利書を手に入れるため」ということを挙げています。

関連記事  『モノポリーコンパニオン』の著者によるモノポリーで勝つための4つのこつ


4.世界のモノポリー
モノポリーが世界各国で販売されていることについて紹介しています。
この中で第二次世界大戦中にイギリスが捕虜の救出を支援するためにジョン・ワディントン社に絹製の地図や小さなコンパスを入れた駒、本物の現金を仕込んだモノポリーセットを作らせ、偽の慈善団体を通じてドイツの捕虜収容所に送ったというエピソードが紹介されていますが、真偽の程は不明です。
後半は2009年の世界選手権に向けての各国代表決定戦の模様が流れます。


5.ポップカルチャーにおけるモノポリー
モノポリーをテーマにした製品について紹介しています。
リーボックとコラボーレションした靴は日本でも発売されていたと思います。
アメリカのマクドナルドが毎年行っているモノポリーをモチーフにしたキャンペーンはすっかり定着しています。
また、アメリカの映画やドラマ、アニメにおいてモノポリーで遊ぶシーンや、モノポリーに関する台詞が数多くの作品で見られます。


6.2009年のモノポリーアメリカ選手権
これまでの映像でインタビューされた人物も多数登場しています。
大会は2日間に渡って行われました。
全米28名の代表によって4人ゲーム×3回(90分)の予選が行われ、予選の成績の上位4名が決勝に進出しました。
なお、今回は予選から決勝戦までスピードダイスを使用しました。


参照 日本モノポリー協会 モノポリーエッセイ(モノポリー米国チャンピオン決定戦に行ってきました)
関連記事 スピードダイス(概要編) 


7.コレクターたち
やはりアメリカのモノポリーコレクターともなると国内のボードのみならず、世界各国のモノポリーや骨董品に近いチャールズ・ダロウ自作のモノポリーセットなどを所有しています。
また、モノポリー好きが高じて自宅のバスルームを電球からタイルまでモノポリー一色にした人物も登場しました。


8.世界選手権
2009年の世界選手権の模様を出場者のインタビューも交えて収録しています。


(感想)  
モノポリーの本場アメリカで製作されたこともあり、大変充実した内容でした。
インタビューの対象になった人たちのモノポリーに対する思い入れや造詣の深さが伺えました。
モノポリーアメリカで確立した文化であるといっても過言ではないでしょう。

残念だった点を挙げると、日本におけるモノポリーのシーンが世界選手権の代表決定戦のみ(それもわずか数秒)だったことです。 
日本人の世界チャンピオンが2人もいるのに(岡田氏に至ってはアメリカ選手権を観戦しており、本人と認識できるほどに映っています。) 登場しなかったのは非常に惜しいことをしたのではないでしょうか。