モノポリー最大の難関ともいえるのが膠着状態です。
いったん膠着状態に陥ると初心者同士ではプレイ時間の長時間化、大会では時間切れ終了になるという非常に厄介な問題です。
状況によってさまざまな打開方法がありますが、中には誰かが損失覚悟で交渉の口火を切らなければならないものもあります。
今回は事例をいくつか挙げ、その打開方法の一例を示します。
1.自力独占した他のプレーヤーが先行している状況
(例2)
A.イエロー1枚、レッド1枚、公共会社、他
B.イエロー1枚、レッド1枚、鉄道3枚、他
C.イエロー1枚、レッド1枚、オレンジ2枚、他
D.グリーン(1-2-2)、他(抵当)
場の状況:Dがグリーンを自力独占して家を建てました。
振り番:A
(Aが動く場合の打開方法の一例)
AはCに現金300ドルをつけてAのレッドとCのイエローを交換しました。
自力独占で先行されていますが、三人二色という難しい状況です。こういう状況では基本的に等価交換で相手は動かないので、誰かが権利書に現金をつけなければ交渉が始まりません。
このため、ほとんどの場合で最初に交渉を持ちかけた人が割を食います。この現金は交渉料として折り込んでおかなければなりません。
2-1.権利書が完全にバラバラになっている状況
(例2)
A.ライトパープル1枚、鉄道2枚
位置 オレンジ
B.ライトパープル2枚、レッド1枚、オレンジ1枚、他
位置 リーディング鉄道
C.ライトブルー1枚、オレンジ1枚、レッド2枚、鉄道2枚、ダークブルー1枚、他
位置 イエロー
D.ライトブルー2枚、オレンジ1枚、ダークブルー1枚、他
位置 グリーン
場の状況:他の権利書が売リ切れることを期待しているのもあるため、周回を重ねる状況が続いています。
振り番:B
(Aが動く場合の打開方法の一例)
いわゆる三人三色や四人四色などといった、どこから手をつければいいか迷う状況です。
Aは膠着状態を打開するために、あえてライトパープルをBに揃えさせます。
Aはライトパープル1枚に対してBのレッド1枚、オレンジ1枚の交換を提案しました。
Bとしてはライトパープルを先行して独占できるため、この条件を受けました。
他のプレーヤーはこのままライトパープルが独走するのは困るので、できるだけ早めに有効な手を打ちたいと考えます。
そこでAは先程手に入れたオレンジ1枚と鉄道2枚に対してCのレッド2枚の交換を提案しました。
CはオレンジがあればDとの交渉も進みやすくなると考え、この条件を受けました。
Aはレッドを独占しました。
また、CがDと交渉し、Cがライトブルー、Dがオレンジを揃えることになりました。
最初に独占したBが一見有利に見えましたが、行く先を独占され苦しい状況です。
2-2.交渉に応じない相手の外堀を埋める
(例3)
A.レッド2枚、オレンジ1枚、グリーン1枚、他
位置 ショートライン鉄道
B.レッド1枚、オレンジ2枚、他
位置 B&O鉄道
C.グリーン2枚、他
位置 ライトブルー
D.ダークパープル(H―H)、鉄道3枚
位置 ライトパープル
場の状況:各プレーヤーがDのダークパープルに止まり、何らかの手を打ちたいところですが、Bは頑なに交渉に応じようとしません。
振り番:B
(Aが動く場合の打開方法の一例)
2-1と似た状況ですが、2-1が全体的な膠着状態を打開しようとする交渉に対して、こちらはBとの膠着状態を打開するための交渉です。
AB間の交渉は成立すればどちらにも勝ち目は出てきますが、交渉が成立しなければ話になりません。
そこでAはCにグリーンを売却し、現金(権利書)を受け取ります。
グリーンを独占したCはBが手前にいるため家を建てます。これでBに対する外堀が埋まりました。
この後、Bがグリーンに止まってレンタル料を支払った場合、建った家の軒数にもよりますが、Bは他のプレーヤーに権利書を売ったり交渉を進めざるをえなくなったりします。
また、Bがグリーンに止まらなくても置かれている状況は理解できるはずなので交渉をする方針に変わるでしょう。