以下にあるのは2004年に東京で行われたモノポリー世界選手権決勝の終盤の状況を現したものです。
・スペイン代表
ライトパープル家9軒
オレンジホテル3軒
位置 アトランティック通り
・ポーランド代表
イエロー家1軒
位置 フリーパーキング
・ノルウェー代表
鉄道4枚 現金1050ドル以上
位置 刑務所
振り番 スペイン
この状況が続けばノルウェーもポーランドも破産するのは時間の問題です。
何もせずに負けるより、わずかな可能性に賭けてスペインに対抗する行動をとらなければなりません。
ここでポーランドとノルウェー間でイエローと鉄道の交換をすればノルウェーが家を7軒建てることができます。
イエロー7軒のうち、マービンガーデンに3軒目を建てればレンタル料は850ドル、スペインが止まればライトパープルの家が全て崩れるのは避けられず、オレンジのホテルまで崩れる可能性もありました。
スペインがマービンガーデンに止まる可能性は5.56%(18分の1)です。
しかし、可能性が低いからといってやらないのは何もしないことと同じです。
ノルウェーはスペインがマービンガーデンに止まらなくても刑務所にいる間は破産することはないですし、その間にゾロ目を連発してスペインが再度イエローに止まる可能性も十分あります。
ポーランドは目の前に家が建つことになりますが、何もしないでいるのはノルウェーより後に破産するかしないかの違いだけです。
また、ポーランドにとってこの交渉は1か所で110ドルのレンタル料収入を4か所で200ドルに増やせるチャンスでもあります。
しかし、実際はここでポーランドとノルウェーの間で交渉は行われませんでした。
スペインの振ったサイコロの目は3。止まったのはマービンガーデンでした。
この瞬間、日本人のギャラリーの一団だけが首をうなだれたといいます。
ここで何もせずスペインにサイコロを振らせてしまったのはモノポリー史に残るミスといっても過言ではないでしょう。